中学受験経験者が4年間個別指導をしていて思うこと

新学期が始まって一か月がたちました。今、私のバイト先の個別指導塾には中学受験を考えている小学生とその親御さんが毎日のようにやってきています。
10年ほど前に自身も中学受験を経験し、4年間個別教師をしている私が、今の小学生の様子を考えてみました。

 

 

入塾タイミングの低年齢化

わたしが小学生だった10年ほど前には、中学受験をする人たちは小学3年生の2月ごろから、中学受験の専門塾に通いだす子がほとんどでした。
ほとんどの中学受験塾は2月が新学期の開始月だったので、新4年生時に通い始めるということですね。
それより前に塾通いを始めた子がまったくいないわけではありませんが、少数派ではありました。体感的には10%くらいでしょうか?

2018年に行われた中学受験情報サイトの独自アンケートの結果を見てみると、小学3年生の2月から通塾をはじめている家庭の比率が23.3%と最も高いことは変わりありません。
しかし、それより前に通塾を始めた人の割合を単純に足すと、23.9%というなかなかの高さに!
おおよそ4人に1人は小学3年生の9月ごろまでに、中学受験のために入塾しているというのは、かなり入塾タイミングが早期化しているんだなと感じます。


専門塾に行くための個別指導塾

中学受験に特化した専門塾は入塾時に、「入塾テスト」が実施されます。
この入塾テストの対策のために、個別指導塾にやってきている小学生が、年々増えてきています。
中には、4,5回入塾テストに落ちてしまった子や小学2年生の子や幼稚園児!?が入塾テストのために訪ねてきたこともありました。
どんなにやる気があっても、入塾できなければ何も始まらないですし、どうせ入塾するならより上位のクラスのほうが雰囲気や先生が良いこともあります。
専門塾に入塾する前から、すでに戦いが始まっているというのも10年前には周りで聞かなかったなと思います。

 

小学生の遊びの変化

遊びと勉強に何の関係があるんですか?とよく親御さんに聞かれるのですが、中学受験においては日常の遊びの経験ってとても重要な面を持っています。

例えば、A君は、算数の立体の問題の中に、正面、右横、真上から見た図が与えられて、積み木の数を聞かれる問題がどうしても苦手でした。
空間の把握能力が大事になる問題なのですが、これを教えるのはとても難しいのです(泣)
正方形のブロックを積んで考えればその問題はわかるけど、応用はできないという事態が多々起こります。
空間の把握能力は教えて身につくものではなく、積み木遊びやジグソーパズル、組み立て工作や、日常生活だとスーパーのレジ袋にどうやって物を詰めるか?などで徐々に身についていくものなので、教えることが非常に難しいです。
A君の親御さんはとても教育熱心な親御さんで、小さいころからたくさんの本を読んだり、ドリルを解いたりしていたそうです。逆に、積み木やジグソーパズルは誤飲しそうで危ないからとあまり遊んでいなかったそうです。低学年から通塾をはじめ、小学校に入ってからもあまり積み木で遊んだりすることはなかったそうで、このことが空間図形の苦手につながってしまったのかもしれません。
ほかにも、虫取りをしたことがないから昆虫の顔がわからないという子や、中高一貫校に通う中学生が家庭科の縫物を教えてほしいとやってきたこともありました。お受験が低年齢化してきていることで、遊ぶ時間が短くなっているのか、小さいころにやったことがないことがそのまま苦手になっている子が多いように感じます。

 

受験はするけど勉強は嫌?

これもまた、低年齢化と関係があるのかもしれませんが、受験はするけど勉強は嫌だ!という子が増えてきているように感じます。

塾の授業はとっても楽しいし、お友達もいっぱいいるから塾には行きたいけれど、塾の宿題はしたくない。

中学受験専用塾の先生ってとっても面白いです。特に、小学校低学年だと、お勉強というよりも、工作や実験に近いことをしている塾もあり、塾=楽しい場所、となるんですよね。

それが、小5くらいからは一気に宿題の量が増え、授業も入試対策に近い難しい内容になってくると大変。

授業は楽しいけれど、宿題は嫌だ!!とか、頭の回る子だと、塾には行くと言ったけど、こんなに勉強しなきゃなんて聞いてない!と言い出したりします。

低学年のうちにどのくらい勉強しないといけなくなるかなんてわからないので、仕方がないことなのかもしれないですが……

 

現代の中学受験は難易度が高い!

中学受験を扱うドラマや雑誌も増え、中学受験が身近になってきた今は10年前よりもはるかに中学受験の難しさが上がっているように感じます。

中学受験は勉強だけでなく、メンタルもかなり重要な要素になってきます。

受験が低年齢化していく中で、いかに長くモチベーションを保ち続けていくことができるのか、考える必要がありそうだなと思います。

修士で研究室を変更した私が今思うこと【M1の5月】

こんにちは。GWが終わり、ようやく大学院生活に慣れてきたtokoriと申します。

大学から大学院に進学するにあたり研究室を移った私が、研究室を移ってから一か月たった自身の感想をご紹介します。

どうぞよろしくお願いします。

 

研究室ってなに?


研究室は、その名の通り研究の現場です。

学生の立場だと忘れがちですが、大学は単なる教育機関ではなく、さまざまな分野について研究し、知の創造をおこなうという役割も担っています。

研究室は教授や助教授、博士課程や修士課程の大学院生、そして学部生といったメンバーで構成されます。

1つのテーマについて全員で協力して研究することもあれば、グループごとにテーマが分かれている場合、個人がやりたいことを自由にやっている場合など、やり方は研究室によって違います。


研究室変えてよかったと思うこと


コアタイムの有無

コアタイムとは、研究室に必ずいなければいけない時間のことです。

学部時代に所属していた研究室にはコアタイムが存在していました。

ルール上は、平日10:00~17:00でした。

しかし実際は17:00に帰れることは稀で、22:00ごろまで研究室にいることがほとんどでした。

病院の通院のために、17:00に帰ろうと思うと、修士課程の先輩から、

「え、もう帰るの?早く帰れていいねー。こんなに忙しいのに。」

と言われる始末。

2か月に一回ほどの通院が必要な私にはこれが結構ストレスでした……。

 

一方、修士で所属した研究室はコアタイムなし。

時間管理が自己責任になる分、厳しい面もありますが、今のところ恩恵のほうを強く感じています。

研究室のメンバー全員の休みの日・時間がバラバラなのが当たり前、という風土が確立されており、病院にいくために早めに帰っても、とやかく言われることがないので、非常に助かっています。

また、コアタイムがない研究室に移るにあたって、困ったときに先輩に相談できなかったらどうしよう……と不安に思っていましたが、研究室のSlackなどで気軽に質問できるので、心配することはありませんでした。

・教授との話やすさ

 教授との相性はやはり重要です。

学部時代の研究室の教授が悪い人だったというわけでは決してありませんが、今の研究室の教授とのほうが話やすいと感じています。

教授と話がしやすいと、自然と研究室に足を運ぶようになるんだ、と自分でも驚くくらい、学部の時より研究室に向かう心理的なハードルがかなり下がりました。

 

また、教授が忙しすぎないことも重要な要素だなと感じています。

学部時代の研究室の教授は、学科長や研究分野に関する協会の責任者であったこともあり、相談したいことがありアポイントをとっても2週間後まで時間がないという状態が多々ありました。

そして、2週間空くと、教授はたいてい前に話したことを覚えていません。下手すると前にアドバイスいただいたことと真逆のことを言われることもある始末。

もちろん教授は同時にいくつもの研究を見て、さらにさまざまな雑務や自身の研究もこなしていらっしゃるので、仕方のないことではありますが、アポも取れないほど忙しい教授は考え物だったのかなと思います。


・視野が広がる

 私は同じ大学内で研究室を移動しただけですが、びっくりするくらい視野は広がったなと感じています。

研究分野が大きく変わったことで、自分の学部の際の研究内容を別の視点から考え直すことができたり、新しい視点からの意見をいただけるというのは非常に興味深く、楽しいです。

また、研究室の先輩の中には社会人学生も多くいらっしゃるので、今後の人生を考えていくうえでも様々な情報やアドバイスをいただいています。

就職も控えている中で、様々な刺激を受けることができるのは非常に恵まれているなと思います。

 

研究室変えようかなと悩んでる学部生へ

これから、研究室を変えるか悩んでいる学部生は、ぜひ前向きに考えてほしいなと思います。

研究室を変えようと考えているということは、学部時代の私のように気が付いていないだけで今の研究室になんらかの不満を持っているのかもしれません。

修士の2年間は、学部の4年生以上に研究室で過ごす時間が増えていくので、どんどん閉塞感を感じていくことになるかと思います。

修士進学のタイミングは生活環境を一変させる大チャンスです!

悩むくらいなら、やってみよう!くらいのお気楽さでまずはチャレンジすることを考えてみてください!